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【派遣とは?】正社員やバイトとの違いやメリット・デメリットを解説

派遣

こちらの記事では、 派遣社員どんな働き方なのかよくわからないので知りたいという方向けに記事書いています。

「派遣って簡単に言うと何??」
「仕組みや働き方を知りたい」
「正社員やアルバイトとの違いは何?」
「どんなメリットがあって派遣で働くのだろう?デメリットはないの?」

上記のような疑問に対して網羅的に解説していきます。

 

✔︎記事の信頼性  2022年2月14日現在、事務系の大手人材派遣会社にて現役の営業をしており現在は7年目。725人以上の方の事務の転職を成功させています。表面的な説明ではなく、派遣の現役営業ならではの実態に近い情報をお届けしていきます。

目次

派遣とは?正社員やアルバイトとの違いを解説

派遣とは雇用形態のことを言います

「派遣社員」とは正社員や、アルバイトなどとは違い、働く先の企業に直接雇われるのではなく、派遣会社と雇用契約を結び、実際に働く企業に派遣されて働く働き方を指します。

派遣という働き方を選んで仕事をしている方々を「派遣労働者」「派遣スタッフ」「派遣社員」などと呼びます。

また、派遣社員といえば有期雇用のイメージがありますが、派遣元に正社員として雇われるパターンの派遣もあります。

【派遣の仕組み図】派遣先・派遣社員・派遣の3者がいて成り立ちます

仕組みとしては、

  1. 派遣会社が求人を獲得し派遣社員へ届ける
  2. 派遣社員は仕事を選んでお仕事が決まると仕事をしに行く

という形です。派遣なので雇い主は、働く先の企業ではなく、派遣会社になります。

お給料や就業規則、福利厚生などは派遣会社のルールが適用されて支払われます。

派遣会社は現在、
厚生労働省に認められないと運営ができない国の許認可性の事業となっており、国の許可なく勝手に始めることができない事業です。
基本的に、個人情報の管理や、労働環境の整備が適切に進んだ大手と呼ばれるしっかりとした企業でないと運営基準をクリアすることが難しいので、その点で派遣スタッフの方の安全性は担保されています。

派遣って回りくどい!なぜ派遣会社が存在するの?

派遣を管轄している国の機関である厚生労働省は、派遣の仕組みを下記のように謳っています。

少し言い回しが難しいですが・・・
簡単に言うと、

  • 「人が欲しい会社と働きたい人を、素早くスムーズに引き合わせる仕組み」

ということになります。そしてこの素早くスムーズに引き合わせるという部分に関して派遣会社は介在するために存在しています。

経験がある方もいるかもしれませんが、
自分で就職活動をすると
「社風と合わなかった」
「入った会社がブラックだった」
「給料が振り込まれない」
などとんでもないことが起きる可能性があります。派遣先企業次第ではあるので、完全な0にはできませんが、お給料は派遣会社から出すので、残業代やお給料が出ないことはあり得ないですし、仲介者が入ることで企業側も悪さができません。

また、細かくお伝えするとさらに2つの役割を果たしています。

  1. マッチングのため
  2. 労働者の保護のため

順番に解説していきます。

1.マッチングのため

派遣会社は、すぐに人が欲しい会社とすぐに働きたい人を引き合わせるために存在しています。

そう言われると、

「webアプリなどで直接企業とマッチングして直接に雇用すればいいじゃん」と思われるかもしれませんが、企業の担当者は人のプロではないので結構ミスマッチが起きます。

働く側も、企業側もお互い

「こんなはずじゃなかった、、、」

となることをなるべく防ぐために、派遣会社は存在しています。

事前に派遣会社の営業が求人をもらったときに詳細にヒアリングを実施して、

  • どんな会社
  • どんな部署
  • どんなポジション
  • どんなスキル経験が必要なのか
  • どんな社内環境なのか

上記のような点を細かくヒアリングします。普通の就活では聞きづらいようなことまで営業が確認をしてそこに合う思考やスキルを持った人を紹介するのでお互い気持ちよく働けるんですよね。

2.労働者の保護のため

2つ目は労働者の保護ですが、直接雇用だとよく下記のような問題が起こります。

  • 内定取り消し
  • 労働条件が聞いていた話と違う
  • 仕事内容が聞いていた話と違う

ひどい会社だど故意にやっていたりするので驚きですよね。。。派遣会社が間に入ることによって第三者の目線が入るので上記のようなトラブルが激減します。

もちろん、企業なので経営が傾いて実際の仕事内容が変化するなどはあり得ることですが、派遣会社が交渉に入ってくれたり、有給が適切に取れているか、残業時間や仕事内容がイメージと違っていないか、など適切にフォローをしてくれます。

派遣の働き方の特徴【自分に合う仕事にすぐ出会える!】

大きな特徴は5つあります。

1.スキルや経験に合った働き方ができる

正社員やアルバイトに応募する場合は、仕事内容がざっくりで何をするのかイメージがつかなかったり、自分のスキルや経験を活かせるお仕事なのか判断しづらいことも多いと思います。

自分の経験に合うお仕事が分からず、とにかく応募したけど、書類選考に落ちまくって就職までありつけないケースも多いかと思います。

派遣では、事前にスキルや経歴を登録したうえで派遣会社がスキルや経験に見合ったお仕事を紹介してくれるので、自分のスキルや経験が活かせるお仕事に就職にしやすくなります。

2. ライフスタイルに合う働き方ができる

 

派遣の求人数は、残業なしや、時短、扶養枠、土日休み、シフト勤務、短期のお仕事、テレワーク勤務など様々な働き方の求人があります。

派遣で働く人の多くは自分のライフスタイルを優先できると言う理由で派遣を選ぶ人が多く、全体で働いているうちの50%の方が敢えて派遣を希望しています。

自分が理想とするライフスタイルを選べるのは魅力的ですよね。

3.派遣先を担当する派遣会社の営業担当が付く

派遣先企業で困ったことが起きた場合や、契約内容について相談したい場合など、派遣会社の営業担当が1名付きます。

派遣が初めての人や、転職したばかりだと不安になることも多いと思いますが、気になることがあれば営業が相談を聞いて対応してくれますので1人より頼もしいよりですよね。

4.契約更新制の働き方になる

派遣スタートした後は、初回契約はお試しで1か月~3か月の契約なります。

そのあとは更新制になるので、自分に合わないな・・・と思う場合には更新せずに辞めることができますし、逆に相手から契約終了とされることもあります。

契約終了といってもよほどパフォーマンスが発揮できないと言うことにならなければ基本的には更新になりますので安心してください。

契約については初回の契約を除き基本的には契約終了の31日前までには次回の契約更新があるかどうかは分かりますので、極力仕事がない不安定な状態にならないような運営が図られています。

ちかみに、契約終了になる場合については下記のような場合があります。

  • できると言っていたスキルが実は使えなかった
  • そもそもPCが使えなかった
  • 派遣先の社員との人間関係が悪い
  • etc…

など明らかにうまくいっていない場合とならないと契約終了が起こることはそうありません。

 

双方更新していった場合も、派遣法の定めで最大で3年までしか働くことができません。(「派遣はあくまでも臨時的な働き方である」というのが法律の趣旨となっています。)

※「ちなみに明日から来ないで」みたいなことは基本起きません。

派遣法や労働法の定めで企業都合で解約は基本出来ないことになっています。

基本は出来ませんが、お給料の保証として自宅待機費用として平均賃金の60%の賃金を支払う代わりに雇い止めされることはあります。

この場合は契約している日までの分、働かなくても平均賃金の60%のお給料は保証されます。

5. お互い気に入れば正社員になる可能性もある働き方

4.で派遣は3年間まで働かないと伝えましたが、3年間働いた場合、派遣会社は派遣スタッフの方がが適切なキャリアアップを図れるように配慮し下記の選択肢で動く法律の義務を背負います。(雇用安定措置と言います。)

 

  • 派遣先に正社員や契約社員など直接雇用してもらえるように依頼する
  • 派遣先の別の部署で引き続き派遣として就業できるように依頼する
  • 派遣会社の正社員になることで、3年の期間制限の影響を受けずに無期派遣社員として働く
  • 別の派遣先企業を紹介してくれる

3年経って活躍してくれたから正社員にしたいと声がかかることもありますし、3年経たずともお互いが合意してすぐに正社員にしたい。と言うような声もあります。

お互いが働いてみて気に入って正社員になるのですからいい制度ですよね。

ちなみに最初から「正社員を狙いたい!」という場合は、正社員を前提とした働き方である、「紹介予定派遣」で働くとよいですよ。

派遣・正社員・アルバイトの違い【企業と働く側の両サイドで比較】

派遣のメリット・デメリットをほかの雇用形態と比較してみていきます。

働く側と働いてもらう側の両サイドの視点で見ることによって、

なぜ企業が派遣社員を採用するのかも知っておき、うまく活用してほしいと思います。

派遣で働く側(派遣社員)のメリット

正社員と比べたメリット
  •  ライフスタイルに合わせて働ける
  •  業務の負荷が低い
  •  未経験歓迎求人が多い
  •  派遣会社に守られて働ける
  •  超大手で働ける
アルバイトと比べたメリット
  • 正社員に準じるお給料が貰える
  • 福利厚生が充実している
  • スキルアップが図れる
両方と比べた際の共通のメリット
  • 契約更新制なのでプレッシャが少ない
  • 面接がなく営業が同行してくれるので採用されやすい
  • 営業担当が付き相談に乗ってくれる
  • 登録しただけで無料の研修制度が受けられる

派遣で働く側(派遣社員)のデメリット

正社員と比べたデメリット
  • 正社員のような賞与はない(厳密には時給に含まれて支給されている)
  • 実際に働いた分のお給料しかもらえないので、休みが多いと給料が減る
  • やりがいのあるお仕事を任せてもらいづらい
  • ただ勤続するだけでは給料が伸びづらいのでスキルを磨く必要がある
アルバイトと比べたデメリット
  • アルバイトよりも社会人としての対応や業務の遂行が求められるのでやや責任が重い。

 

両方と比べた際の共通のデメリット
  • 契約期間があるのでスキルが足りないと契約終了される可能性がある

派遣で働いてもらう企業(派遣先)のメリット

敢えて説明するのは派遣で働く方が利用して欲しいからです。知らなくてもいいですが、知っておいた方が実際に働いた時に不利益を被らず済むかもです。

では説明していきます。

正社員と比べたメリット
  • ネームバリューがない会社でも人を集められる
  • 人事が弱い会社でも派遣会社がマッチする人を見極めて連れてきてくれる
  • 派遣で働いてみてもらって、自社に合う人を正社員にすることができる
  • 給与水準が高い企業の場合、派遣社員の方がコストが安い(超大手などはそうなりがち)
アルバイトと比べた派遣先のメリット
  • 即戦力となるいい人を集めやすい
両方と比べた際の共通のメリット
  • 書類選考や面接といった工数を省くことができて急に人が辞めてしまったなど、急ぎで人を採用したいときに使える
  • 産休や育休、休職などあらかじめ期間に定めがある場合の補填もできる
  • 新規のプロジェクトや、新規ビジネスなど継続性が不透明な場合も採用ができる。
  • 経営悪化など会社が傾いた場合に現契約を終了することでコストを抑えることができる。

派遣で働いてもらう企業(派遣先)のデメリット

正社員と比べたデメリット
  • プレッシャーのかかるお仕事は任せづらい
  • 業務の範囲がある程度契約時に決められている
  • 給与水準が低い会社の場合派遣社員の方がコストが高いことがある(中小企業の場合そうなりがち)
アルバイトと比べたデメリット
  • アルバイトを雇うよりもコストがかかる
両方と比べた際のデメリット
  • せっかく仕事を覚えてもらったのに派遣社員の方から契約終了されてしまう可能性がある

派遣とは?【恋愛に例えるイメージしやすいかも?】

企業側も、働く側も派遣会社という適切な第三者を噛ませることによって、契約期間や仕事内容を定め、双方にとって都合の良い形に合わせることができるということですね。

企業はプロジェクトや会社の都合に合わせて人を採用できますし、働く側も自分のライフスタイルに合わせて自由に働くことができます。

 

余談ですが人材業界ではよく恋愛や結婚に置き換えて語られることが多く、変な例えと感じる人もいるかもしれませんが構造は似ています。

企業視点だと「正社員=結婚」でハードルが高め

企業としては一度正社員を雇ってしまうと固定費となるため相当な経営悪化等の理由がなければ解雇できません。

そういう点で、「正社員=結婚」として例えられます。

そうなると、「面接=お見合い」という見方となるので、より厳しく見極めが必要となり、より採用される側としての難易度も上がります。

派遣の場合は、というと

企業視点だと「派遣=お付き合い」でハードルが低め

派遣の場合は期間に定めがあり、双方合意の場合だけ更新になるので、正社員に比べると見極めが少なくても、働いてみてもらえらばいいや。ということができますし、働く側もいい会社なら長く勤めようという気持ちで働けますよね。

そうなると、「派遣の採用の場=お付き合いするかどうかのデート」という立ち位置になるので面接と比べると採用のハードルはかなり低くなります。

実際に働いてみてもらって双方が気に入れば、正社員になることができる。

お付き合いしてみてうまくいけば結婚。うまくいかなかったら3年間のお付き合い終了。

そんな仕組みになっています。

これは派遣先側に限ったことではなく働く側としても働いてみてよかったら正社員にという方が安心ですよね。

 

派遣という働き方がおすすめな人

いままでお伝えしたメリット・デメリットを踏まえて派遣という働き方がおすすめな人は下記の通り。

下記に挙げるような人達は実際に私自身担当しています。理由は十人十色ですね。

あくまでも下記は一例にすぎないので当てはまらない方もOKです。

 

すぐにお仕事を開始したい方

例えば、

「金銭的な理由ですぐにお仕事に就きたい」

「保育園の審査の都合ですぐにお仕事をしたい」

「子供産んだ時に育児給付金のためにお仕事を始めたい」

などの気持ちの方が当てはまりますね。

 

プライベート重視な働き方をしたい方

例えば、

「家庭と仕事の両立を図りたい」

「介護と仕事の両立を図りたい」

「家族との時間を大事にしたい」

などのお気持ちの方が当てはまりますね。

 

アフターファイブを趣味に投じたい方

例えば、

「1年の時間を働く期間と働かない期間に分けたい」

「10か月間は働いて2か月は海外行きたい」

「10か月間は普通に働いて2か月は別の仕事をしたい」

「旅行に行くために2か月だけお小遣い稼ぎしたい」

「企業や独立までの間の準備期間としてお金を貯めたい」

などのお気持ちの方が当てはまりますね。

 

Wワークをしたい方

例えば、

「個人事業をやりつつ収入を安定させたい」

「起業の収益が安定するまでの間働きたい」

などのお気持ちの方が当てはまりますね。

 

今後のキャリアを模索したい方

例えば、

「いろいろな会社で働いてみて自分に合う環境を探したい」

「いろんな職種を経験して力を発揮できる仕事を探したい」

などのお気持ちの方が当てはまりますね。

 

未経験からキャリアアップを図りたい方

例えば、

「何のスキルも持っていないけど、事務のスキルを付けていきたい」

「派遣で働いていく中で正社員を狙っていきたい」

「仕事は好きだし、ちゃんとやるのに面接が器用にできない」

などのお気持ちの方が当てはまりますね。

 

いろいろな方がいますが実は未経験からキャリアアップを図るのに、

派遣事務はかなり有利だと思っています。

いわゆる大手企業の事務職は競合ひしめいているのですが、

派遣から事務職を採用する優良な中小企業は思ったほど良質な人材を採用できていません。

そこで派遣から正社員を採用するのですが、実は20代で採用したくとも、

20代の派遣スタッフというのは全体の20%程度しかいないのです。

若い人を採用したいと思ってもまずいない。だからこそチャンスです。

未経験でも自分が望む事務のキャリアを積みましょう。

最後までお読みいただけた方、ありがとうございました。

派遣で働いてみたいなと思った方は下記の記事で派遣で働くまでをステップにしたまとめ記事となっているのでよければ読んでみてください。

>>派遣登録から就職までの流れ5STEP【未経験でも遠回りしないポイント】